こんばんは、葵です。
すこし前にTwitterで話題になったタグ、
#名刺代わりの小説10選。
やりたいなと思い立ち、今までの読書歴を振り返り、ようやく完成しました!
わたしがわかる?
名刺代わりの小説を10冊ご紹介!
葵の名刺代わりの小説10選
1.夜は短し歩けよ乙女
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
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はじめての森見登美彦作品。
中村佑介さんのイラストが素敵で、装丁買いしたものでした。
ちょうど出会ったのが、京都で大学生活を送る前で。貪るように読み、この小説片手に、四条河原町や木屋町、出町柳をずんずん歩いた思い出の一冊。
「私」のこじらせ具合が、自分と重なるようで。くすぶりし、冴えない大学時代も、森見ワールドではこんなにワクワクする物語になるのかと、感動したのでした。
2 不思議の国のアリス
- 作者: ルイスキャロル,金子国義,Lewis Carroll,矢川澄子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/02/25
- メディア: 文庫
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はじめて読んだ文庫本。たしか、小学校1年生の秋。
難しい漢字がいっぱいで、翻訳された文章が読みにくくて、母に意味を尋ねたり、辞書を引きつつ1週間ほどかけて読破した思い出。
すこし不気味だけど、魅力的な不思議の国の虜になりました。
3 ここは退屈迎えに来て
大学3年の就職活動中、ふらりと立ち寄った代官山の蔦屋で購入。
ちょうど上京しようか、大阪で就職しようか迷っていて。退屈な日常から引っ張り上げてくれる人を待ちわびていた時期に読みました。
結局、退屈な日常から抜け出すには、自分しか頼れなくて、田舎でも都会でもくすぶる人はくすぶっていて。
「自分が引っ張り上げなくては」と就活に奮起するきっかけとなった本。
4 終点のあの子
はじめての柚木麻子作品。こちらも装丁買いしたもの。
女子高生の、みずみずしくもすこし残酷な青春が描かれています。
こんなに、少女の無邪気な悪意を丁寧に、愛おしさをもって描いている作品ってなかなかなくて。
女のいやな面だけじゃなく、無邪気な美しさというか、残酷なまでに透き通った感情を描き出していて。ひりひりするような、女子高生時代の思い出を懐かしく思う作品。
5 告白
読書がマンネリしていたころに出会った作品。
斬新な展開、静かに進行する復讐劇、登場人物の残酷さ、人間の本質を描いている作品。
続きが気になりすぎて、息つく間もなく読み切った、久々に「すごい本と出合った」とドキドキした本でした。
湊かなえさんの作品に出てくる登場人物には共感することが多くて。彼女は人間をどのように見ているのか気になる。
6.すいかの匂い
むんと暑い、夏の日に読みたくなる一冊。
ミステリとかファンタジーとか、非日常が楽しめる作品が好きだったわたし。
この作品に出会って、日常に潜む非日常、背中合わせの世界みたいなものに、楽しみと愛おしさを覚えるようになりました。
江國香織さんの作品は、エッセイも小説も、隣の女の子の日常をのぞいているような、身近で、オシャレで、ドキドキできるものが多いです。
7.女ごころ
- 作者: W・サマセットモーム,William Somerset Maugham,尾崎寔
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 文庫
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ブロガーのHaruさんに勧めていただいて読んだ本。
洋書には苦手意識があって。なんだか聞きなれない言い回し、直訳したような訳とかが苦手で、読むのはもっぱら推理小説。誰が殺されて誰が犯人かはとにかくわかるから。
そんな苦手意識を持ったまま読んだこの本は、まるでドラマや映画を見たような満足感!
とても読みやすい文章で、文章を読んだら情景が映像として浮かんでくるのです。
すこし自意識過剰で悲劇のヒロインを演じたがる、痛い、面倒な女心をしっかり描いていて。2時間もかからず読めちゃうし、海外の文学も面白いと思えた、軽い小説です。
8.こいしいたべもの
おいしいごはんは、人をしあわせにする。たべものにまつわるエピソードは、なんだかセンチメンタルになる。
わたしは子どもの頃からごはんの時間が嫌いで。少食と偏食がすぎるので、給食の時間は苦い思い出が多いのだけれど。
でも、お母さんが作ってくれたすこし焦げた卵焼きも、野菜たっぷり焼うどんも、大根の葉っぱふりかけも、子どもの頃の思い出を運んできてくれる。
思えば、好きな映画もごはんのシーンが魅力的なものが多い。かもめ食堂に、めがねに、ホノカアボーイ、ジブリもそう。食事を作る音すら愛おしい。
そんな愛おしくて胸をきゅんとさせてくれるこの本は、しんどい時に読むサプリメント。
9.コンビニ人間
賞をとって、なんとなしに読んだこの本は、わたしかなと思うような人間が描かれている。
たぶん、休職期間がもう少し長かったら、この小説のわたしのようになったのじゃないかな。
根本は、わたしだと思うのです。
これぞ、名刺代わり。
へんちくりんで、人に理解してもらえないけれど、日々もがもが踠いて、生きにくいわたしをのぞいて見てほしい。
10.かもめ食堂
映画もさることながら、小説も好き。
サチエさんの少女のような無邪気さと、思い切りの良さ。マサコさんの何かを悟ったような、すべてを受け入れるおおらかさ。ミドリさんのすこし短気な性格も、愛おしい。
群ようこさんの描く人間は、思い切りが良く、すうすうしてすごく好きだ。ハッカ飴とか、思い切って短くした襟足とかみたいな、見ていて爽やかで、気持ちよくて、すうすうした感じ。
こんな大人になりたいと16歳の頃思っていた。そんなわたしも26歳。もう10年たった。
こんなすうすうしたかっこいい大人にはまだなれていない。なれそうにもないかもしれない。それでも、こんな大人を目指して、日々を大切に、丁寧に生きて生きたい。そして、思い切りよく、気持ちよく過ごしたい。
おわりに
今までの人生と読了本を振り返った。
人生の節目に出会った本、頭を心を揺さぶられた本はしっかり覚えているのだなと思いました。
割と有名どころばかりで、浅い読書歴を晒してしまった感じがしてならないけれども。
ここに選ばなかった本も、わたしをかたちづくるひとつ。
例えば、高校生のに読んだ無差別大量殺人犯の心理状態みたいな本のおかげで心理学に興味を、心理学科がある大学を探したりして。
読む本が人をつくるのか、その人に近い本を無意識に選んでしまうのかはわからないけれど。
これからもたくさんの本と出会って、たくさんの活字の海に溺れて、どんどんわたしがつくられていく。
深くて、曖昧で、何色かわからない、いろんなものが混ざったわたしになりたい。
今日も今日とて、文庫本片手に。
わたしはわたしを生きていく。